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世界最強の核兵器「ツァーリ・ボンバ(爆弾の皇帝)」

ソビエト連邦が開発した人類史上最強の核兵器と言われいる核爆弾で重量27㌧、全長8m、直径2mと巨大。威力は広島型原爆の3300倍の50メガトンを誇る。
実験機のTu-95爆撃機(当時ソ連最大級の爆撃機)に格納できず改造を受けた特別機に搭載した。熱線による被害を迎えるため特殊な白色塗装を施された。

下に抱えているのが「爆弾の皇帝」
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投下の瞬間
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三段階の核分裂により100メガトンの威力を発揮する多段階水爆と言うもであったが100メガトンの爆発はすさまじく死の灰がソ連領内に降り注ぐ可能性があるため、実験では三段階目の核分裂を迎えるように変更され50メガトンに迎えられた。

【実験】
1961年10月30日
実験は重さ800㌔のパラシュートを取り付け爆撃機の退避時間を与え北極海のノヴァヤゼムリャ上空に投下された。高度4000mで爆発し1000キロはなれた場所からも確認できキノコ雲は高さ60km幅40kmにまで及んだ。致死域は半径6.6km、爆風による人員殺傷範囲は23km、致命的な火傷を負う熱戦の範囲は58kmであり爆発の衝撃波は地球3周をした。
アメリカが開発した最大の核爆弾(B41)で25メガトンであった。
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【開発目的】
冷戦時代の核競争の中で生まれた核兵器であり当時は偵察衛星などが発達途中で敵陣営の軍事施設の正確な位置がつかめないことや核爆弾を搭載する爆撃機が低速で探知され迎撃される可能性があり一発あたりの破壊力を重視した。また目標からずれた場合(当時は誤差がかなりあった)でもその威力でカバーし破壊することを目的にした核兵器であった。

しかし、軍事技術が発達しICBMが主力になるとあまりの重量と大きさのツァーリ・ボンバは搭載できず実用兵器から遠ざかっていった。又、ICBMの命中精度も高くなり、核開発では正確性・安全性・小型化が目標となり、ICBMに複数の小型核弾頭を装備し地域一帯を破壊する方がより効果的であると考えられた。

アメリカ軍の多弾頭独立目標再突入ミサイル実験
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一発あたりの破壊力ですべてを破壊するツァーリ・ボンバはいまでも恐ろしい核兵器に変わりはないだろう。いや、ツァーリ・ボンバだけでなく核兵器すべてに言えることだが・・・・。


by bt231 | 2007-07-01 21:04 | UHIと軍事